課題解決事例017 H建築設計事務所‐公共施設

液晶調光ガラスでエントランスの光を拡散! 曲げガラスでも合わせガラスに対応し、メンテナンス性も向上。

検討の背景とは

H建築設計事務所では市街地の再開発に伴い新たに建築する大型の公共施設の建築設計を請け負うこととなり、プロジェクトチームが発足した。今回計画されている施設では、行政機能だけではなく一般市民が来場するイベントスペースや、コンサートなどを実施するホール、コンベンション施設など多くの来場者が予想されており、施設のエントランス部分のデザインや機能性については何度も議論が交わされていた。

来場時のワクワク感を重視したデザインと、施設の快適さやメンテナンス頻度などの機能性の両立が難しく…

今回の複合公共施設では、市街地の活性化を図るために日常的に市民の方々も利用できるように、カフェやテナントの出店スペースも計画されていました。そのことから、一般の来館者の方を意識したデザイン・設計にも気を配る必要がありました。

free_image21
「エントランス部分を円形にすることで、施設全体に柔らかで公共施設とはイメージの異なるデザインにすることを狙っていました。一般の方にも、堅苦しくないイメージにしたいという点と、奥行きや広がりを感じさせることで来館した際にワクワク感を感じられるエントランスのデザインに仕上げたいという想いがありました。」(建築設計担当 K氏)

設計の検討は順調に進んでおりましたが、プロジェクト内で説明を行う中で、エントランス部分がガラス張りで開放的であるがゆえに、陽の光が強い季節や時間帯などに、来館者の方が日光を強く感じる可能性があると指摘が入りました。

free_image21
「開放感を持たせるためにガラスのエントランスを採用することと、曲げガラスを活用した曲型のデザインについては、外せないポイントだと考えていました。しかし、曲げガラスを採用するとなると、デザイン上からも陽の光を防いだり拡散したりするためにどのような手段が取れるのか悩ましい点でした。一部にフィルムを貼るとしても、フィルムの劣化やメンテナンスの発生頻度が懸念として挙がりました。」(K氏)

困った建築設計担当のK氏は、以前に別の案件で関係のあった日石硝子工業に相談を持ちかけることにしました。

 

課題のポイント

 
  • 施設のエントランスは奥行きや広がりを見せるために曲げガラスを活用したい
  • 施設のエントランスは直射日光が入りすぎないように光の量を調整したい
  • 施設の顔となる部分のため、劣化を抑えつつメンテナンス頻度も軽減したい